イタリア料理が持つシンプルさや気品を感じさせながらも、気取らず愉しむ場所の設計が求められた。
そこで、厳格な規律に従った建物群から、料理の香りや笑い声が滲み出してくるような、イタリアの「小道」のような場の構築を目指した。
店舗正面の大部分を余白とすることで、雑踏の中では逆説的に主張するファサードとしてつくり上げた。
客席空間は、その余白を貫く「小道」のように建物裏側まで続いている。カウンターや出入口はこの「小道」に面する建物の開口部として、大小高低の異なる丸型照明は「小道」の上空に浮かぶ雲として扱い、半屋外的な場所をつくりあげた。また、食用植物による植栽も、この屋外的な印象を増幅している。
結果として、厳格さや気品を感じさせながらも、気軽に集い、語らい、味わえる半屋外的な場所=イタリアの「小道」のような場所になったと考えている。

Data Sheet
  • 名称
    TRATTORIA KAWANABE 飲食店舗設計
  • サービス
    内装設計 (家具、厨房、グラフィックツールなどを含む、場所の全体統括)
  • 内装設計
    SUGAWARADAISUKE (菅原大輔)
  • 照明計画
    灯デザイン (早川亜紀)
  • 植栽計画
    GAヤマザキ (山﨑誠子)
  • 厨房設計
    マルゼン
  • 施工
    アカンプリッシュ
  • 写真
    Jeremie Souteyrat
  • 場所
    東京都大田区山王、 日本
  • 設計期間
    2013.06 – 2013.07
  • 工事期間
    2013.07 – 2013.08
  • Website
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