盛岡を拠点とする住宅メーカー『doors』の本社ショールームを中心に、飲食系インキュベーションシェアオフィス、地域イベントの会場が共存する業務・地域拠点施設です。この異なる用途を緩やかに分節/接続し、共存させているのが、円形の『ジャイアントテーブル』です。
幹線道路に面した元コンビニの既存建物は郊外都市に対して正面を向いています。一方で、ジャイアントテーブルの家具や空間は、岩手山や周辺の自然の風景と対峙するために、地軸である南北軸に沿って配置しました。二つの風景軸が共存する内部空間は、屋外への連続した広がりをつくります。重層する二つの軸線は、様々な風景への連続性と広がりをつくり出すだけでなく、室内の視線を交錯/発散させることで、人々の間に方向性による交流と距離感をつくります。ジャイアントテーブルとその周囲の回遊動線の高低差や奥行き、素材や色に変化を与えることで、ステージ、デスク、間仕切り、椅子、キッズルームのロフトなど機能を変えながら、既存の風景や建物と、異なる三つの用途をつなぎ合わせます。
建築と家具の「中間体」であるジャイアントテーブル。それは、異なる用途や活動する人々、異なる風景をつなぎ合わせ、「もてなす/働く/集う」ための多様な居場所群をつくり出します。同時多発的なモノ・コト・ヒトを受止める中間体の存在するこの空間は、地域を中心にした多様な働き方の可能性を示しているといえます。
Data Sheet
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建築設計SUGAWARADAISUKE建築事務所 (担当:菅原大輔、小久保亮佑/設計、中澤宏行/監理)
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照明計画灯デザイン(早川亜紀)
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施工株式会社doors
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写真コンドウダイスケ/Photo Office-K、菅原大輔
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場所盛岡、日本
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設計期間2017.09-2017.12
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工事期間2018.01-2018.09
Prize & Media