ファームステーションジム
FARM STATION GYM

本事業は、自分のまちで汗を流すランナーが気軽に立ち寄り、様々なマシーンでワークアウトできる半屋外型スポーツジムです。大屋根の下に様々なマシーンと植物が並ぶ本施設、ランニングステーションとしての自宅、フィールドとしての“まち”を繋ぎ、「自分のまちがジムになる」新しいスポーツをまちの在り方をデザインしています。

全世界で猛威を振るう感染症。このコロナ渦によって、運動不足は深刻化しています。一方で、自分のホームタウンを走る地元ランナーが増えました。そこで、運動不足の人に運動の機会を提供し、地元ランナーには有酸素運動を補強する無酸素運動の場を提供することで、「自分のまちがジム」になるような地域の健康拠点を提供したいと思い、本事業を企画開発しました。

そこで、人間と緑豊かな自然が共存する牧場、スポーツジムの設計、地域拠点の設計で多くの実績を持った3社が互いのノウハウを活かし、老若男女が気軽に立ち寄れる、緑豊かで安価で感染リスクの少ない、公園のようなスポーツジムにたどり着きました。植栽や大屋根に加え、エントランスやベンチなど人が触れる部分に木材を使用することで、身体だけでなく心も癒すバイオファブリック効果も目指しています。

まちの中の混生豊かな緑地帯に大らかに屋根が浮かぶような構成とするために鉄骨造を採用し、景観色彩を使うことで街並みになじむデザインとした。また、エントランスやカウンター、休憩ベンチに木材を使用し、敷地内外の植栽と合わせたバイオファブリック効果を目指すことで、本施設利用者の快適な運動環境と、地域住民への良好な景観の提供を行った。

アメリカのベニスビーチなどに見られる本格的な屋外型ワークアウトジムは日本には見られません。また、無人ジムが24時間営業含め存在しますが、自宅と連携した本ジムでは、ロッカーやシャワーなどの併設が不要なので、無人特有のトラブルが発生しにくく、安全な運用が可能です。また、外周部にベンチ策と植栽を設けることで、施設内だけでなく、地域の新しいコミュニケーションの場となります。

老若男女に問わず、心身ともに地域の健康増進を安価に提供する本施設は、自分のまち全体をジムにすることで地域コミュニティーにも寄与しています。また、税制改正で生産緑地の減少や街並みの障害となる開発が危惧される「2022年問題」ですが、本事業へのイニシャルコストを抑え、農地活用でお悩みの地主さんに緑地を提供した選土地活用の選択肢にしていただき、地域経済と景観を守る役割を目指しています。

Data Sheet
  • 基本構想・監修
    SUGAWARADAISUKE建築事務所 (菅原大輔)
  • 建築設計・施工
    JSC株式会社
  • ディレクター
    株式会社大地 (担当:秋葉秀威) / 株式会社ワイズフィットネス (担当:米澤美郎)
  • 写真
    菅原大輔
  • 場所
    千葉、日本
  • 設計期間
    2019.06-2020.01
  • 工事期間
    2019.11-2020.07
Prize & Media